アーカイブス(記録)

海外派遣研修事業

本研修事業は、諸外国の芸術文化の実情を調査、研究し、その成果を芸術文化活動に反映させ、国際的視野に立った見識を高めると共に、資質の向上を図ることを目的としています。

<平成26年度実施実績>

  • 研修者名:森 貴也
  • 期 間:平成27年3月5日〜3月30日
  • 滞在国:アメリカ
  • 推薦団体:行動大分作家協会
  • 研修目的:日本人の目から見た今日のアメリカの美術事情の研究
  • 報 告:
  • 研修先はアメリカのニューヨーク。到着日は寒波で初日から豪雪による極寒の洗礼を受けた。
    美術館やギャラリーはとにかく沢山見てまわったが、特に印象に残っているのはまず世界三大アートフェアの一つ、アーモリーショー(国際近代美術展)。ウエストサイドにあるのハドソン川沿いの倉庫には世界各国のギャラリーが出展。4日間限定のイベントだけあって、会場は人で溢れていた。
    それからニューヨーク郊外にあるディア・ビーコン。ナビスコの旧パッケージ印刷工場を利用した美術館はとても広くて、そこにリチャードセラやヨーゼフ・ボイスらの作品が贅沢に展示されていた。作品の規模が大きくて見応え十分だった。
    滞在中盤には石彫家ヒラツカケンさんと出合い、アトリエ訪問させて頂いた。ケンさんのアトリエはマンハッタンからバスで4時間かかるマーガレットヒルという山奥にあり、のどかな田舎の風景が広がっていた。広大な土地にはケンさんの石彫作品が幾つも設置されていた。将来この土地を彫刻公園にしたいそうだ。一泊させてもらい、現地で石彫作品を1展制作した。午前0時に電動工具を使っていてもクレームがこないのが羨ましい。アトリエ訪問した時期が、ニューヨーク滞在折り返し時期でもあったからか、美術館やギャラリーをたくさんまわって刺激を受けてはいたが、石を彫っている時間のほうが楽しく、やはり私は作る側の人間なんだと自覚した。短時間だったが何とか形は完成したので、残りの磨き作業は帰国後の宿題になった。
    宿泊場所の近くには彫刻家故、佐々木敏雄氏の佐々木スタジオがあった。彼は元愛知県立芸術大学の教授で、現在、スペースは夫人の美緒さんが管理し、美大出身作家のレジデンススペースになっている。同世代の作家と知り合うことが出来て、良い刺激になった。
    約一ヶ月、充実した時間を過ごすことが出来た。幾つかコネクションも出来たので、次に行くときにはもっと長い期間滞在し、制作と展覧会をやりたいと思う。

<平成25年度実施実績>

  • 研修者名:田島安有美
  • 期 間:平成25年7月14日~7月27日
  • 滞在国:スイス
  • 推薦団体:おおいたオペラカンパニー
  • 研修目的:より良い発声方法の習得及び表現方法の研究
  • 報 告:
  • 今回、始めて海外のマスタークラスへ参加してみて、ヨーロッパの同年代の人との交流はとても新鮮で日本にいるだけでは分からない事をたくさん学び、いつも考えないような視点から自分自身と向き合うとても良い時間になったと思います。
    何より、毎日レッスンがあるという環境はとてもよく、その日レッスンで終わった事をその日中に復習し、次の日のレッスンで本当に合っているか確かめる事が出来ましたし、復習の際、間違っていたとしても、次の日のレッスンで修正して頂けたので、間違ったまま進む事がありませんでした。
    また、他のクラスメイトのレッスンも毎日聴講することで、基本何度も繰り返し聞く事となり、1度言われただけでは中々理解できないが確実に消化・吸収出来たと思います。
    スイスでは、地元の人や観光客の集まるような公共の場所での演奏活動をよく目にしました。私が参加した講習会でも学生によるコンサートは屋外で行われるものが多く、歌クラスのコンサートも屋外でした。屋外で歌う事は私にとって始めての経験だったので、きちんと声がとばせるか等色々心配でしたが、リハーサルをしてそんな心配は無くなりました。屋外ステージはホールとは違い、目の前に壁があり、窓があり、通路があり、ステージと客席空間が1つになり、そこにいるお客様が応援してくれているような、そんなあたたかい感覚がありました。壁・天井のないコンサートって素敵だなと心から思いました。
    また、後に訪れたイタリアでも、世界遺産である会場に特設ステージを作った野外劇場でのオペラ公演で、ビールを飲んだり、つまみながら鑑賞している人に囲まれて、自由で、ずっとリラックスした雰囲気を味わいました。こんな風にどんな人の耳にも入る場所で演奏するという事は、クラシック音楽に興味のない人に触れてもらう機会としてとても大切な事で、そうする事によって始めて興味を持ってもらえるのではないかと強く思いました。
    今はまだ何からスタートしていいのか分かりませんが、これからゆっくり自分に出来る事を探していきたいと思います。

<平成24年度実施実績>

  • 研修者名:後藤 沙織
  • 期 間:平成24年10月22日~1月23日
  • 滞在国:オーストリア
  • 推薦団体:グループUNO
  • 研修目的:ベーム式、エーラー式クラリネットの様式の違いの研究と音色の追及
  • 報 告:
  • 今回、ウィーンで勉強するにあたっての私の課題は、演奏テクニックなどを含めた基礎的なことももちろんですが、人に魅せる表現力の研究という事も常に念頭に置き、ウィーンフィルの首席奏者 エルンスト・オッテンザマーと彼のお弟子さんでもあるヴィンフリート・アイヒナーの両氏に細やかなレッスンをして頂きました。
    両氏それぞれの一番最初のレッスンで、用意して行った曲を吹いた後、まず言われたのは「Langweilig!(ラングヴァイリヒ)」という言葉。日本語で「退屈だ!」という意味です。ただの音階であっても常に聴衆を意識した演奏をしなさい。と教わりました。
    音楽は特定の言葉では表せませんので、同じ曲でも奏者が10人いれば、文字通り十人十色で10通りの演奏が存在するわけです。
    しかし、表現力の有無というのはそれ以前の問題であり、まず自分の中にしっかりとしたイメージがないと聴く側には全く伝わりません。
    イメージがあったとしても表現が控えめだと伝わりにくいでしょう。それが、最初のレッスンでの「退屈だ!」という言葉になったのです。
    それからのクラリネットとの時間は「自分の殻を破る作業」という感覚でした。
    吸収できているのかは自分ではまだよく分かりませんが、ウィーンでの時間は大切な経験として確実に私の中に刻まれていると信じ、これからの演奏に活かしていきたいです。(海外研修報告書-研修を終えて-より抜粋)

<平成22年度実施実績>

  • 研修者名:市原 由美
  • 期 間:平成22年8月30日~11月29日
  • 研修地:フランス
  • 推薦者:大分県美術協会
  • 研修目的:古典から現代までのフランス絵画の色彩研究
  • 報 告:
  • 今回の研修では古典から現代まで多くの作品を見る機会に恵まれ、歴史として知ってはいたが本当にさまざまな表現方法があるのだとあらためて実感し、今までの自分の凝り固まった美術に対する考えがゆっくりち解けていくのを感じた。美術館や教会に入れば、そこはある時代がそのまま止まっているかのような感覚に襲われ、作品を通してその時代が語りかけてくる不思議な感覚を味わった。こうしてさまざまな表現を見ていくうちに私が感じたことは、作品のスタイルよりもその裏側に表現しようとしているものの方が大切で、スタイルが自由になっても失うことのないものを持っていなくてはならないのではないかということだ。見えるところばかりが重要ではなく、むしろ見えない部分において強い力を持っていることが重要なのではないかと思った。(大分合同新聞H23.2.17付夕刊より抜粋)

<平成21年度実施実績>

  • 研修者名:廣岡 茂樹
  • 期 間:平成21年10月5日~10月25日
  • 研修地:イタリア(ローマ、フィレンツェ)
  • 推薦者:新潮流の会
  • 研修目的:具象絵画とその展示(設置)方法の研修
  • 報 告:
  • 滞在中は交通機関をあまり利用せず、町中をひたすら歩きました。至る所で本物に出合い、圧倒されました。膨大な時間と材料、そして技術を駆使した作品が山ほどあり、間近で見られるのです。念願かなってシスティーナ礼拝堂を訪れ、ミケランジェロの壁画を見たときも同じです。ほとんど狂気に近い仕事の量に打ちのめされました。しかし、何よりも心に迫るものがあったのは、その一つ一つの仕事に刻まれた情熱でした。芸術(絵画や彫刻)の世界において重要なのは「最新」や「先端」ではないのだと実感しました。昔の人々の心の目はとても豊かです。500年たったからといって現代人の目が進化しているとは思えません。芸術はシンプルな作業ですから、カッコウつけたら、いずれはばれると思いました。石畳の町を歩き、巨匠たちの仕事ぶりを見詰めながら、私は制作への気持ちがよりシンプルになった気がしています。(大分合同新聞H21.11.30朝刊より抜粋)

<平成20年度実施実績>

  • 研修者名:緑川 羽菜
  • 期 間:平成20年6月16日~9月15日
  • 研修地:ベルギー
  • 推薦者:大分演奏家協会
  • 研修目的:ピアノ演奏の個人レッスン、及びディナン国際音楽院でのセミナー受講
  • 報 告:
  • 22時間にわたるレッスンの中であらかじめ用意してきた約1時間分のプログラムにご指導を頂いた。これだけのプログラムを一度に持つ経験は今までにないことだったのでとても良い経験になった。レッスンの中で、音楽の流れの作り方・音の響かせ方・腕の脱力などたくさんのことをご指導いただいた。ディナン国際音楽院のセミナーでは様々な楽器・年齢層の演奏者たちが著名な音楽家のレッスンを受けるために集まり、一週間浸食を共にした。校舎内ではいつも誰かが練習している音が絶えることなく、大変刺激の多い一週間となった。今までとは違った環境で学んでみたことで違う目線で自分を見つめるという経験もでき、その分また新たな課題を見つけることができ、とても有意義な時間を過すことができた。(海外研修報告書より)

<平成19年度実施実績>

研修者なし

<平成18年度実施実績>

  • 研修者名:三宮一将(34歳)
  • 期 間:平成18年6月4日〜8月23日
  • 研修地:イタリア・ドイツ・オランダ・チェコ・フランス・スイス
  • 推薦者:新潮流の会 代表 山崎哲一郎
  • 研修目的:ヨーロッパにおける絵画、彫刻、建築など総合的な芸術、及び現代的な芸術表現の研修
  • 帰国後の活動:06新潮流展(11/28〜12/3)、三宮一将展(2007/2/9〜2/28)大分県立芸術会館、長湯歴史温泉伝承館
  • 報 告:
  • ヨーロッパの幾つかの国とわずかな都市と美術館、博物館、教会などを中心に、古典から現代までの芸術を観て回った。イタリアでは3枚の油絵を描き、ドイツでは6枚描いた。しかしながらその土地の人たちとの交流の中で、たった1枚の絵を持って帰ることしかできなかった。何千だか何万だかの芸術作品に触れたが、完璧に優れた1作品を選び出すことは困難な作業ではなかった。今後の自身の制作には、沢山の素晴らしい街や芸術作品から感じたり学んだりしたことによって自分自身の中から新たに発生する感覚と、その関連性の中から描き創りだして行こうと思う。これもまた当然のことながら、どこにもこれまでの私の作品と同じものはなかったということが将来の制作へのひとつの展望であるように思っている。(海外研修報告書-研修を終えて-より抜粋)

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